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「医療制度改革」法案の内容を知っ

ていますか?

  政府は制度を持続させるために「改革」が必要だとしていますが、先の郵政民営化や建築基準法の緩和問題でも明らかになったとおり、今回の医療「改革」が実はアメリカの大きな圧力のもと、日本の財界の後押しで行われていることは大きな問題です。窓口負担を増やし、保険給付の範囲を狭めることによって、民間保険会社の参入を許すならば、かけがえのない命が市場原理のもとにさらされ、お金のあるなしで受けられるサービスが異なる医療格差が広がってしまいます。
  国会の審議でも明らかになったように、高すぎる窓口負担と健康格差の拡大、深刻化する医師・看護師不足の問題、受け皿のないままの療養病床廃止・削減で多数の「介護難民」が発生する問題、6年連続の診療報酬引き下げによる厳しい経営環境など、日本の医療制度がかかえる課題や問題点はきわめて深刻な状況になっています。しかし、今回の「医療制度改革」はこうした問題点を何一つ解決しないばかりか、今後長期的に日本の医療全体をいっそう深刻な方向に追いやるものです。
  政府は財政問題をだしにして「持続可能な制度にするための改革」を唱える一方で、米軍基地再編で国民の血税3兆円をアメリカに提供しようとしています。ここに、国民生活では格差を広げ社会保障を切り捨て、憲法改悪・教育基本法改悪を進めて軍事大国化をめざす小泉構造改革の危険な本質が明確に示されています。
  現在の日本の医療費・社会保障費は欧米の半分程度であり、ムダな公共事業や軍事費・米軍思いやり予算を医療や社会保障にまわすだけで、日本の医療は改善できます。史上空前の利益をあげる大企業に対する課税を適正に行うことで公的医療・介護・福祉を改善することは十分可能です。

  私たち民医連は、私たち国民が納めている税金を、欧州諸国並みに医療・福祉にまわすことで、患者さんの窓口負担を増やすことなく、安全安心の医療制度を構築することを求めています。

■成立した医療制度改革法案の内容

(1)高齢者の窓口負担の引き上げ
◆06年10月からは70歳以上の現役並みの所得のある人(夫婦世帯で年収620万円以上、単身で年収480万円以上)は今の2割から3割負担になります。
◆08年4月から70~74歳の一般の人は今の1割負担が2割になります。
 
(2)高額療養費の自己負担限度額の引き上げ
◆06年10月から(一般的所得の人)
・69歳以下/72,300+医療費の1% → 80,100+医療費の1%
・70歳以上/40,200 →  44,400
◆08年4月から
・69歳以下/変わらず
・70~74歳/44,400 → 62,100
・75歳以上/変わらず
◆人工透析患者自己負担限度額 06年10月~ 1万円 → 2万円
 
(3)医療型療養病床入院患者の食費・居住費の全額自己負担化
◆06年(今年)10月から:70歳以上全額自己負担化(月額3万円程度)
◆08年4月から:65~69歳も全額自己負担化
※一般病床入院患者の負担は変わらず
※難病や脊椎損傷などの入院医療の必要性の高い患者は、療養病床に入院していても負担は変わらず
 
(4)「高齢者医療保険制度」の創設
◆08年4月実施 75歳以上の後期高齢者全員加入
※財政運営は全市町村が加入する都道府県単位の「広域連合」
→保険料は都道府県毎に異なる
※財源 1割 75歳以上の保険料(月6000円の保険料 → 年額7万円以上 年金天引き 滞納者ペナルティ)
4割 現役世代の支援金
5割 国と地方の公費
※現役世代の給与明細書には「基本保険料」と「特定保険料」を明示→世代間分断
75歳以上の高齢者は「新たな診療報酬体系を構築する」→高齢者差別医療の実施 現代のうば捨て山
 
(5)政管健保、小規模健康保険組合、国保の都道府県単位への再編
◆08年10月「全国健康保険協会」発足
※保険料率は全国一律年収の8.2%となっているものを、同協会都道府県支部ごとに医療費の地域差を反映した料率(3-10%の範囲)とする。
◆小規模健康保険組合も都道府県単位に統合
※受け皿として企業や業種を越えた「地域型健康保険組合」の設立を認める。
※保険料の上限も年収の9.5%から10%引き上げ
◆市町村国保も「中長期的」に都道府県単位に統合
 
(6)医療提供体制の見直し
◆医療療養病床、介護施設(特養・老健・療養型)の入所者を極力限定
※療養病床38万床(医療型25万・介護型13万)を6年間で医療型に一本化し、15万床に削減(介護型は廃止)
※老健や有料老人ホーム、ケアハウスなどへの転換をスムーズにできるよう、医師・看護師の配置基準を緩和した病床の類型を経過措置として設ける。
 
(7)健診率の向上、在院日数の短縮等「医療費適正化計画」
◆平均入院日数の短縮
※特例的診療報酬の設定
◆生活習慣病の25%削減のための健診率、有病率目標設定
※保険者にも健診率向上を義務づけ…高齢者医療制度支援金でペナルティーも
08年度に策定→10年度に検証→12年度に実績評価
 
(8)保険のきかない医療を拡大する「保険外併用療養費制度」の導入
評価療養・・・高度の医療技術など
◆保険外併用療養費制度・・・
選定療養・・・差額ベッド代など
 
(9)世代間の分断
◆乳幼児に対する負担軽減策(窓口負担2割)
現行3歳未満まで→08年4月から全未就学児に拡大
◆標準報酬の上・下限の拡大
現行上限98万円・下限98,000円の39等級→07年4月から上限121万円・下限58,000円の47等級に拡大
◆出産手当金/現行30万円→06年10月から35万円に引き上げ
◆埋葬料/現行1ヶ月の賃金相当額(最低10万円)→06年10月から一律5万円に引き下げ
◆出産育児一時金/現行1日につき賃金の6割相当額→06年10月からボーナスも加味した賃金の2/3相当額に引き上げ
◆傷病手当金(最長1年6ヶ月支給)/現行1日につき賃金の6割相当額→賃金の2/3相当額に引き上げ
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